塾講師&専業家庭教師のつぶやき

気ままな専業家庭教師の裏ブログです。

偏差値は本当のところ、どれくらい伸びるのか

さて。前回、「偏差値39から60は嘘」と述べました。いや、「嘘」は言い過ぎかもしれません。世の中には、特例中の特例として、とんでもなく伸びる生徒もいます。前回ご紹介した、夏休み前に偏差値51で、そこから75近くまで伸びたSさんなどその典型と言えるでしょう。


ですが、それは残念ながら極めて特殊な例であって、普通の生徒には当てはめることはできません。


では、ごく一般的な例として、プロの家庭教師がついたら、どれくらい偏差値は伸びるのか。


普通は、5伸ばすのさえも大事(おおごと)だといってもいいでしょう。


たったの5!高いお金をかけて!
そう思われますか?


そうですよね。慶応普通部めざして4年から塾に行き始めたものの、いっこうに成績は伸びず。塾に相談すると「夏に伸びますから」。
確かに、夏は朝から晩まで、ヒーヒー言いながら机に向かった。これなら秋は期待できるぞ!


だが満を持して臨んだ9月の合不合の偏差値は、6月から微増の51。えー、あんなに頑張ったのに~?
これじゃ、普通部なんてかすりもしない。


こうなったら、プロ家庭教師の力を借りるしかない!


こういう話はいくらでもある。


家庭教師派遣会社の広告にも
「偏差値10アップして、崖っぷちから奇跡の逆転合格!」なんて惹句が大書してあります。


よし。かくなる上はプロの力を借りて…


だがしかし。


まずこのお子さんを60まで伸ばすのは無理です。12月の合不合まで、丸3か月。一回2時間週1回の指導で、10回20時間強しかない。


とてもではないですが、10は無理です。類例を探せば、8月の最終週から始めて12月の合不合まで偏差値6伸びて(6月との比較)、明大中野に受かったU君。9月の第2週に体験授業をし、翌週からスタートして、12月23日の日能研の模試で偏差値5伸びて(9月との比較)、大妻に受かったTさん。これらはもう、ただの成功例ではない、「成功例」の類いと言ってよいです。


よく仲間内で言うせりふ。
「プロ家庭教師は魔法使いに非ず」。


ここで最初の命題に戻りましょう。
Q「プロ家庭教師がついて、どのくらい偏差値は伸びるのか」


A
6年夏のスタートなら、maxで5ぐらい


残念ながら、どうやらこの辺りが現実的な答のようです。


ある同業の先生がこんなことを言いました。「入試までの残りの月数だけ伸びる可能性はあります。ただし上限10」


なるほど。うまい表現、というか、わかりやすい表現かもしれません。4月スタートなら偏差値+10.8月スタートなら+6.うーん…8月スタートで+6か… かなり大変な気がしますが…